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認知症メモ1

当院医師が認知症の患者様やご家族の方の質問に回答しています。

いずれもケースバイケースで、最良の唯一の回答があるわけではありませんが、長年認知症の患者様とそのご家族に接してきた当院医師の認知症治療のエッセンスが、少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

Q 入院したら3カ月以内に退院させなければいけない?

一生懸命介護したその気持ちが3カ月間入院していると薄らいでしまいます。 3カ月以上入院したら家族はまた引き取って面倒みようという気持ちを持つのに、非常なエネルギーを必要とします。

Q 入院を勧めるときに兄弟姉妹の同意を得る必要があるでしょうか?

認知症患者様のご家族は、親類から 「入院をさせると楽をしようとしてるのじゃないか」 「老人に冷たい」 などという言葉を浴びせられることがあります。意外に身内の人は介護の大変さを分かってない人が多いものです。 いかに大変かを分かってもらうために同意を得る必要があるでしょう。

Q 住みやすい家に建て替えたいと思いますが...?

新しい事柄を覚えるのが難しい認知症の患者様には、新しい習慣の習得は困難です。
手すりを付ける、段差をなくすなどのバリアフリーや体の不自由さに対応するためのものは良いのですが、認知症の人にとって新しい家は困ります。 
「便所の場所が変わった」 
こんな些細なことを覚えることが苦手なのです。

Q 脳血管性の認知症とアルツハイマー型の認知症とは差があるのでしょうか?

脳血管性の痴呆は治るというイメージがあります。 アルツハイマー型認知症と診断するとがっかりされることがあります。 認知症はどちらにせよ治るものではなく、現実にはそう差がないものです。

Q 認知症は治らないのですか?

認知症が回復する、改善するという話を聞きますけれども、ある程度進行し、長谷川式簡易知能検査で20点以下の認知症の方は改善しないと考えて良いと思います。 アリセプトで一時的に改善する方はいますが。 うつ病などの別の病気のために認知症と同様な状態になった方は別です。

Q 認知症を予防するにはどんな趣味を持つのがよいでしょうか?

新しい習慣は困難です。
認知症の人に新しく趣味を、と言ってもそれは無理です。 
しかし昔やっていた趣味をもう一度思い出させることは可能です。

Q 認知症予防の薬は忘れずに飲む必要があるのでしょうか?

現在のところ認知症に確実に効く薬は見つかっておりません。
もしかしたら少しは効くかもしれない。という希望を持って使っております。
時々薬を忘れたとしても問題ではありません。 
個人差もあり、もしかすると飲んでも飲まなくても変わりはない人もいるかもしれません。

Q アリセプトとは?

アルツハイマー型認知症の軽度から中度に対して効果があるといわれています。 現在アルツハイマー型認知症の適応をとっている唯一の薬です。 自分が使っている限りにおいて効果を感じる例は多いです。

Q 安定剤の服用についてどう考えますか?

睡眠がコントロールされないときに使います。
認知症老人の睡眠のコントロールはしばしば極めて難しいのです。
量とか服薬する時間をいろいろ工夫します。 
必ずしも医師の指示通りに飲む必要はありません。

9. 安定剤の服用はやめたほうがいいのでしょうか?

薬の服用の意味を確認するためには、多くの薬は一時期やめたとしても問題はありません。 
「安定剤の服用はやめたほうがいい、認知症が早く来る」と言う人がいます。
安定剤の服用で 認知症が早く来ることはありません。 
安定剤で注意するのは、眠気、ふらつきの副作用がどの程度あるかです。

Q いらいらして、つい怒鳴ってしまうんですが

怒鳴らない方がいいに決まってます。
でも介護している人の精神衛生を考えるときに、「かまわないですよ」と答えます。
なぜなら怒鳴るのはよくないと分かっていてもそうしてしまうからです。
ストレスを溜め込んで、介護者自身が精神的にまいらないために、介護者自身を追い詰めることにならないために、ときにはやむを得ない場合もあるでしょう。

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